「これくらいのハラハラ感が多分、ちょうど良いよね」

東京で広島カープのファンをやっていると、神宮球場に行く機会が多くなる。
交通の便も良く、チケット代がお手ごろ価格というのが主な理由だ。
それにカープファンも多いのでビジターという感覚が少ない。

内野席でよく見かけるおじさんがいる。この人は他の球場でも見かけるし、行くと必ずといっていいほどいるので、多分全試合観てるんじゃなかろうか。
このおじさんが時々、というかしょっちゅう野次を飛ばしていて、それがなかなか楽しい。
野次といっても選手を罵倒したりはせず、まあからかっているという部分はあるかもしれないが、なんというか「愛のある野次」だ。思わず吹き出してしまうような感じ。

一方、中には口汚く選手を罵るような人もいる。これは、余り好きではない。
例えば、試合を見ていれば、愚痴は出る。文句も出る。
チャンスで情けない見逃し三振をした選手には「ああああああ!もう、何やってんだ!」くらいは思う。
でも、それを口に出して、選手たちに罵声を浴びせるのは気持ち良くない。

ある時、ストッパーの永川がランナーを出しながらどうにか9回を抑えて勝ったという試合があった。
調子がいまいちの永川は四球を出したりヒット打たれたりしている。ボールの判定が出るたびにカープファンからはため息のようなものが出てくる。
こういうときは、おじさんは何も言わない。
「ピッチャー変えろ!」とかは絶対言わない。多分、じっと心の中で祈ってるんだと思う。
そしてどうにか勝利できた時、おじさんは
「ははは。こうやってハラハラさせるのが永川の持ち味よ!」
と冷や汗流しながら言っていた。良いスタンスだと思った。

という事で、つれづれなる感じでブログを始めてみました。
基本、映画鑑賞の記録、感想を中心に書いていくつもり。
当然、観る映画が面白かったり、出来の良いものばかりとは限らない。
でも、なるべく内野席のおじさんのように「愛のある野次」程度の感じで行きたいと思う。
できるだけ罵声は飛ばさないように…。
グダグダと居酒屋で話しているような、そんな感じでいきたい。
ステップ軽やかに。自由に。