六本木に咲いたグロ美しい花。 ド新参の神聖かまってちゃんLIVE体験10/2(日)@ニコファーレ
90年代のほとんどは学生とフリーターのような状態で、もちろんお金はない。
クーラーもないような安アパートで、高級住宅地を恨めしげに眺める『天国と地獄』の山崎努みたいなメンタリティで生きていた。
バブル?何それ?美味しいの?状態なので、六本木なんてWAVEかシネ・ヴィヴァンに行くしか用事がなかった。ディスコにもクラブにもクリスマスディナーにもスキーツアーにも全く縁のない生活。
まあ、低収入(何て変換をしやがる)いや定収入を得られるようになった今でも縁がないのは同じなんですけどね。
という事で、神聖かまってちゃんのツアー初日に参戦した。
場所はニコファーレ。旧ベルファーレの跡地にできたホール。
入場待ちに並んでいると後でカップルのお兄ちゃんの方が悪態をついている。
「こんな、クソライブなんか観たかねーんだよー!」「ニートばっかりだろー、こいつら」
かなり酔っ払っている様子だ。
なるほどね。なかなか威勢がよろしい。口に出して発言しているだけ大したものかもしれない。
なら君もステージに上がればいいじゃないか。
そうこうしている間に入場。
シャレオツな入り口。
ホール内は四面の壁がLEDモニターで出来ていて、色んな試みが出来る仕組みになっている。なかなか面白い。
オールスタンディングのライブではあるが、前方でモッシュをするような年でもないし、そんな体力もないので後方待機。
ドリンクバーで酒でも呑みながらのんびり観ようと思ったが、ホール内は飲食持込み禁止との事。
それが、今回に限ってなのか会場のルールとしてデフォなのかは判らない。
今回のライヴはニコ生でも生放送されている。
四面のモニターにコメントが流れるさまはなかなか壮観だし、エフェクトとしても効果は抜群ではなかったか。
特に『ベイビーレイニーデイリー』での「ちゃららら、らららー」のコメントが流れる場面や『黒いたまご』での映像、そして大写しになる、の子の顔などなど。
小さなスペースなので後方でもステージ上が良く見えるんだけど、ついつい横のモニターの方を見てしまう。
かまってちゃんのライヴに来たのは初めてだが、ネット上の動画でいくつかは目にしている。ライヴ評もいくつか読んだ。
そういった情報から、グダグダと雑談が続きながら曲が演奏される、あるいは「の子のコンディション」次第でライヴの出来が決まる、というイメージがある。
そういう意味では「の子のコンディション」は非常に良かったのではないだろうか。
の子は真っ赤なセーター姿とスカート姿で登場。本人弁によると衣装代は40万かかっているらしい。途中で赤いセーターを脱ぐとトラッドな女学生みたいに見えた。嘘か真かノーパンだったという話もあるけど、自分の位置からは確認できず。
「うっせ、ばか!死ね」と「いや、ほんとありがとうございます」を繰り返しながら、時折アジテーションが交じるMC。
「お前らを埼玉アリーナに連れてくからな!」というフレーズは青いとか臭いとか単なるビッグマウスとかいうレベルを超えていた。そういった留保なして受け止めたくなる言葉だった。
不安定な精神状態を匂わせる挙動とある種の芸人魂とも言えるサービス精神との絶妙のバランス。それが今日は素晴らしかったと思う。
そして演奏中の彼の姿は素直にかっこいい。
演奏がバタつく事もあった。音のバランスが良くないと感じた曲もあった。
「レコ発ツアー」と言う割には『8月32日へ』からの曲は少ない。(『夕暮れメモライザ』とか『僕は頑張るよっ』とか聴きたかったなあ…)
しかし、それでも、とても良いライヴだったと言いたい。
凄く良いライヴだった。
本編ラストの『ちりとり』ではちょっぴり「泣いてもいいかな」って気持ちに。
そして圧巻はアンコール。
『ロックンロールは鳴り止まないっ』や『学校に行きたくない』での盛り上がり(ダイブ失敗もありつつ)は当然として。
アンコールが始まったときに「あと4曲でーす」というちばぎん。正確には「出来ても4曲」だったかもしれない。
4曲目『ぺんてる』が終わり、ドラムのみさこさんが「ありがとうございましたー!」と〆ようとしたにも関わらずギターを引き続ける、の子。そして弾き語りからベース、ドラムが加わっての『26才の夏休み』
染みたね、これ。
そして2時間半のライヴは終わった。
「またインターネット空間で会おう!」という、の子の最後の台詞がとても心地良く体に響く。
ちなみにセットリストはこんな感じ。
アンコール
-
- 23才の夏休み
- ロックンロールは鳴り止まないっ
- 学校に行きたくない
- ぺんてる
- 26才の夏休み