気がつけば手のひらを突き出していた。  Perfume JPNツアー@さいたまスーパーアリーナ

野球観戦はもっぱらの内野派。
ユニフォームは着ているがメガホンやカンフーバットは余り持たない。応援歌も唄わないし、スクワットもやらない。
では始終腕組みしているかと言うとそうではなくて、ヒットが出れば「おーし!」くらいは喜ぶし、アウトを取るたびに手を叩いたりはする。
点が入ったりすればガッツポーズも取りながら立ち上がったりもする。時には隣の知らない人とハイタッチをしたりして。
外野スタンドでスクワットしながら応援するのもひとつ。内野でまったりと、だが時にはアツく応援するのもひとつ。

と言う事で
Perfume JPNツアー
に参戦した。

氷結プレゼンツですから。
なお今回は開演前後を含めて会場内の写真撮影は禁止だったので撮ってない。
そういうの律儀に守ってしまう。


さいたまスーパーアリーナは昔NBAのイベントに行った気がする。もう10年近く前だろうか。
会場に到着するとコスプレをしている人が結構いて、ちょっとした撮影会状態になっていた。
気合の入った娘さん達がたくさんいる。


今まで生のPerfumeを目にしたのは去年の5月の広島フラワーフェスティバルのステージと8月のサマソニの2回。
念願のワンマンLive初参戦。
開演時間となり「すわ始まったか!」と思ったらモニターから氷結CMが流れるというフェイントの後に始まった3時間は、いやはや流石という他ない素晴らしいエンターテイメントのパッケージだった。
計算された演出が美しい曲の部分とそれに相反するような緩いMC、そして感情をまっすぐに表現したメッセージ、これらがバランスよく構成されたステージだった。
1日目はアリーナF2ブロック、2日目は400レベル(実質3階席になるのかな)という席。セットリストはおそらく両日とも同じだったはずだが、それぞれ違う楽しみ方が出来たと思う。

さて。
Liveに行っても、基本的には足でリズムを取ったり体を左右に揺らしている程度で、激しく踊る事はない。
ましてや決まったポーズで手をふったり拳を突き上げたりというのは、どちらかというと身体と気持ちが拒否するタイプ。
だから地蔵ではないけれど、それほど激しく動いたりする事は少ない。
PerfumeのLiveでもそれは同じで、曲の間はそれでも全く構わない訳だけど、問題は「PTAコーナー」ですね。
コール&レスポンスを中心として会場一体となる定番コーナーでどう振る舞うか。実際問題、気恥ずかしさが先立ってしまいなかなか声を出せない。
と言う事で「男子−−!」の掛け声にも、恐る恐る手を上げる程度しかできない。
んだったんだけど。
その時は本編ラスト曲の前にやってきまして。


以下ややキモイ感じ&ネタバレ気味に。


「最後だよ。一回しかやらないからね!手を出して〜!」
この一言にもう身体が動かざるを得ない。そう言われて漫然と手をブラリと下げている事ができようか。
気がつけば手のひらを高く掲げていた。
あとは言われるがままにフリを真似する。
もう一度やってしまえば、あとは精神が開放されているので「上下上上」だろうが「ぐるぐるぐるパンパン」だろうが出来てしまう。
アンコールでの思わぬサプライズで三人の姿をより近く観る事ができたのはそのご褒美だったのかもしれない。

となれば二日目はもうPTAコーナーもクリアですよ。
「男子−−−−!」にも両手を挙げて「いぇーーーい!」くらいは軽く言える。昨日初見で難しかった「ぱっぱっぱ(以下略)」もスムーズに動く自分がいる。ははは。正直キモイが、I don't care!
ただ「ジェニーはご機嫌ななめ」での掛け声はまだハードルが高い。まあ、いいさ。動きたい時に動けば良いだろう。


二日目のスタンド席からは会場の全体が見渡せるので、これまた良い感じだった。
光と影。特に影がね、良い場面があったんですよ。あれ、カッコ良かった。


ジッと動かないで聴き入るのも楽しみ方のひとつ。激しく踊るのも良いだろう。終始手拍子で終わったって良い。
野球にしろLIVEにしろ言動を強制されるのは好みじゃない。楽しみ方は人それぞれだ。
だけど身体が自然に動いてしまうのを無理矢理矯正してしまうのもまた哀しい。
あの時の「一回しかないからね」という言葉はまるで、の子(神聖かまってちゃん)の「い、今しかっ…!今、この時!一瞬、一瞬なんだよっ!クソが!」というアジテーションに近いものを感じた。
そりゃね、手ぐらい掲げますよ。高々と。


素晴らしい3時間の中で言いたい事はたくさんあるが、中でもしばらくLiveではやらないのではと邪推されていたあの曲がセットリストに入っていた事をあげておきたい。
上手く言えないけど彼女達の矜持というか意志というか、何か強い力のようなものを感じた。


しかし武道館4DAYSか。行っちゃうのかな、オレ。