もうひとつのミッション・インポッシブル。ちょっと嘘。 『ペントハウス』

腹の底にズシリとくる映画も良いが、何も考えずに「わはははは」と笑える映画もまた楽しい。


と言う事で
ペントハウス

基本的にベン・スティラーが出ているだけで点が甘くなるんだけど、更にエディ・マーフィーまで!
言ってみればデ・ニーロとパチーノの共演のようなもので期待するなというのが無理な話だ。
で、結論から言うと楽しかった。
最後まで全く飽きさせないし、各所にツボにはまる笑いがあって自分の好みなタイプ。ラストの締めくくりもちょっとカッコいい。良く出来ていると思う。
確かにベン・スティラーエディ・マーフィーもやや抑え気味な感じもしないではないし、全体的にもっとバカバカしくなっていても良いという感想を抱かないではないけど。
でもそれは結果として、バランスのとれた堅実な作りという効果を生んでいたんじゃないでしょうか。


主役ふたりはもちろん、他のキャストもコメディの空気に合っていて好感触。
マシュー・ブロデリックティア・レオーニの熟練ぶりも良かったが、ケイシ―・アフレック、マイケル・ペーニャあたりがコメディ世界に違和感なく馴染んでいて自然だったのもポイント高い。脇役で良くみるジェリコ・イヴァネクZeljko Ivanek - IMDbがチラっと出てくるあたりにも妙な信頼感を覚えてしまう。


終盤のタワー外面での宙づりシーンは『ゴーストプロトコル』にも負けていない…というのは流石に言い過ぎかもしれないけど、仲間が次々とFBIに逮捕される流れはコメディらしからぬカッコ良さがあったし、大団円的な締めくくりも悪くない。フェラーリの隠し場所も洒落ているし、黄金のハンドルを手にするドアマンや他の職場の人間達の顔を観てるとやっぱりジンとくる。
ていうか、ラストのベン・スティラーのイケメンぶり!



冒頭に出てくるドルプール。一回泳いで見たい。


ベン・スティラー主導の企画ではない事もあってか、比較的いつものベン・スティラー的要素は少ない。
どうしようもなく悪化していく事態に翻弄されたり、神経症的なリアクションは抑えられていて、割とまっとうな主人公的動きをしている。エディ・マーフィーも、どちらかというと脇にまわってしっかりサポートしているという感じがあった。
でもそれは物足りなさを感じるというよりは、他の仲間達のキャラクターを引きたてて良いアンサンブルを成立させる事に成功していたと思う。

なんてもっともらしい事言ってるけど、単純に楽しい作品でした。

いざ、「スヌーピー作戦」へ!


個人的な笑いのツボはコード・ブラック、レゴの模型、オデッサとスライドの会話、スヌーピー作戦…などなどあげればキリがないくらい色々あったけど、やっぱりベン・スティラーエディ・マーフィーの車での会話は良いね。
マシンガントーク神経症的な受け答え、それほど面白い事を言っている訳ではないけど何だか頬が緩んでしまう。がっつり二人のバディモノの映画を観てみたい気になった。