梅雨のシアターN祭り(1) ボクは頑張るよっ。 『極秘指令:ドッグ×ドッグ』
野球の試合を観に行った場合は、それは贔屓のチームが勝つのがもちろん一番な訳だけど、では負け試合に全く見どころがなかったというとそう言う事でもない。
例えば期待の若手が一軍に昇格して初ヒットを打ったとか、ベテランのスター選手がここぞと言う場面で打点を上げたとか、まあ試合に負けたけど良いモノが見れたというケースは少なくない。
と言う事で
『極秘指令:ドッグ×ドッグ』
ほとんど予備知識のない状態で鑑賞。1回くらい予告編を観たことはあったかな。
ま、エレン・バーキンを久しぶりに観るのも良いかな、ってくくらいのノリで参戦。
結論からいうとそういうノリに見合った作品というところでしょうか。
逆に言うとそれ以上のものはないというか…。
コメディとしてもサスペンスとしてもスパイものとしてもアクションとしても、中途半端感は否めない。悪くないんだけどグッとくるところがないというかね。
特にアクションシーンは全くと言っていいほど迫力を感じなくて、ちょっと残念な感じ。
それでもキャストはそれぞれに魅力があって、そこは楽しめる部分ではある。
エレン・バーキン、マギーQ、ヴィング・レイムス、ザック・ガリフィナーキス以外は顔と名前は一致しないけど、観た事のあるような顔ぶれが多い。アダム・スコットとかスーザン役のおばさんとかね。
個人的にはエレン・バーキンが予想外に頑張っていたような気がする。独特の色気というかファニーフェイスというか、年齢を重ねてまた違うエロさが出てきたような…。
ていうかキャメロン・ディアスに似てきたな。いや逆だろうけど。
正直なところ、ストーリー展開はある程度途中から想像がつくしラストもそれほど驚く展開ではない。
まあ、ありがちな「冷徹なスパイの世界」って感じ。
オバマ就任演説もとってつけた感アリアリで「とりあえずリアリティっぽく」って程度の味付けにしかなってない。
とはいうものの。
90分が全く無駄だったかというとそんなこともない。
ちょっとしたバトル・ロワイヤル状態になる展開や「お。ここで○○が死んじゃうのか」ってところもあって楽しませてはくれる。
それにジョー・アンダーソンとオデット・ユーストマンといった若い二人の存在も良かった。
ジョー・アンダーソンは序盤のチャラいオーラが良いフリになってたと思うし、オデット・ユーストマンのエキゾチックな魅力も捨てがたい。
と、ほとんどキャストの話ばっかりになっているが、まあつまりはそれくらいしか言う事がないってことでしょうか。
もう少し「思わぬ拾いモノ」的ところがあれば良かったんですけど。
先発投手が序盤で3失点したものの、その後継投陣が頑張り追加点は取られず。2年目の若手注目選手のプロ初ホームランが出たり、怪我で欠場していたベテラン選手が復活し代打でヒットを打ったりと見どころはそれなりにあった試合。結果は負けたけど…とそんな感じの映画でした。