デンゼル・ワシントンの目は凄い。『デンジャラス・ラン』

9月8日(土) 
きょうは墓参りをするのでおばあちゃんの家にいきました。おばあちゃんのうちは広島の田舎にあります。
おばあちゃんのうちはお父さんの実家だけど、お父さんはここには住んでなかったみたいでした。
ややこしいです。
おばあちゃんのうちは東京のマンションとちがって、たんぼや畑がいっぱいあるところにあって、コンビニもちかくになくてお兄ちゃんが「ヤンマガ買えないじゃん」とぶつぶつ言っていたけど、ぼくはカブトムシとかいっぱい取れるので嫌いじゃないです。でも毎日は住みたくないとも思います。
おばあちゃんの家に行くまえにお父さんが「映画を観よう」ということになって、ぼくは「こんなところに映画館があるのかな」と思いましたが、ありました。
大きいスーパーみたいなのところの屋上にいくと映画館がいくつもあって、たくさんの人がきていました。
ゲーセンもあって土曜だったこともあって家族連れもいっぱいいました。
シネコン、という所だそうです。
シネコンは良く言われない事もあるけど、こういう環境があるのとないのとじゃかなり違う。なくならないことを祈るね」とお父さんは言ってました。良くわからなかったけど、いい事だそうです。
そこで
デンジャラス・ラン

という映画を観ました。
いつもはDVDで吹き替えで見るので、英語をしゃべる映画は初めてなので、あまりおぼえていないけどがんばって思いだして感想を書こうと思います。

いとこのヒロシお兄ちゃんくらいの年のひとはマットという名前で暗い部屋でほとんどの時間をじっとしています。そこもヒロシお兄ちゃんと似ていますが、違うのはそれが仕事だというところです。「じっとしているだけの仕事は楽でいいな」と思いましたが、あとで「でも何かつまらないかもしれないな」とも思いました。
そのうちにマットお兄さんは警察みたいな仕事だとわかりました。(あとでお父さんが「あれはCIAというんだよ」と教えてくれました。おまわりさんと何がちがうかは教えてくれませんでした)
いろいろとあってデンゼル・ワシントンというおじさんが捕まって、マットお兄さんと逃げることになりました。
ここでぼくは昔お父さんにみせてもらった『ミッドナイト・ラン』という映画を思い出しました。とても楽しい映画だったことをおぼえていたので「あんな感じの映画かな。それだったらいいな」と思いました。タイトルも似ています。
でもちがっていました。
うまくいえないけど、笑えるところは少なくてデンゼルおじさんとマットお兄さんも余り仲良くないようにみえました。ミッドナイト・ランのふたりもケンカしてたけど、それでも仲良い感じがしてました。このふたりはもっとピリピリしています。
でも面白くなかったということではなくて、やっぱり面白かったです。
ハラハラしたりアクションの場面もあって飽きさせません。
これからお話の最後のほうについても書きます。
もしかしたら今からこの作品をみようとおもったのに全部バラしちゃったら、怒るひとがいるかもしれないので気をつけてください。「そういうのはネタバレといって映画好きなひとたちはそういうのを嫌うんだ」とお父さんがいっていました。


マットとトビン(デンゼル・ワシントンの役名です)は逃げながら仲良くなるのかと思っていたら途中でトビンがマットをだまして逃げ出そうとしていたりしました。
そしてマットも追われることになったので警備員のひとをピストルで撃ったりしました。
ぼくはどっちがいい人でどっちが悪い人なのか分からなくなりました。ちょっと警備員のおじさんがかわいそうでした。
こういう犯罪をすることでCIAとして成長するということなのでしょうか。
トビンもむかしはCIAの仲間だったようで、とても優秀な人ということでした。それに比べるとマットは少したよりない感じがします。
もしかしたらトビンがマットを教育している感じもしましたが、違うかもしれません。
途中で上司のサム・シェパードに「ごくろうさん。あとは俺たちにまかせろ」みたいな台詞を言われるところは少しかわいそうです。あの辺から少しずつ、たよりないマットがだんだんと強くなっていく感じがぼくは良いと思いました。
というのはちょっと嘘で、ほんとはマットの頼りなさは最後まで変わっていないという気もしています。
とくに一番最後にマットがノラを見つめている場面は、いっしゅんクールでかっこいい男に変わったように見えましたが、なんとなく顔の感じに情けない印象が残っている感じがする、とお父さんが言っていました。でもお父さんは「でも頑張ってるよ」とも言いました。でもぼくはやっぱり好きになれない顔だな、と思いました。同じライアンでもライアン・ゴズリングがやればもっと面白かったのに、とお父さんに言ったら「それはどうかな、これくらいの情けなさを醸し出すくらいのバランスが良いんだよ」と言いました。よくわかりません。
ぼくがスゴイと思ったのは、やっぱりデンゼル・ワシントンさんです。
最後にトビンがいっぱい打たれて死んでしまうのですが、そのときの目がほんとに死んだみたいに見えました。
光が消えたように見えて、やっぱりアカデミー賞を取るひとは違う、とお父さんが言ってましたが、ぼくもそう思いました。
最後のトビンの死ぬ姿をみるだけでもお金を払った価値があるのです。
デンゼル・ワシントンが悪役っぽい役をやっても結局デンゼル・ワシントンの味方をしてしまうな、とも思いました。

そのほかにも色んな人が出ています。
ぼくはヴェラ・ファーミガという女の人がとてもきれいだと思いました。きれいだしカッコイイ感じもしました。だからもっと出番が多ければいいのにと思ったので、悪いおじさん(このおじさんは最初悪者かなと思ったけど、やっぱりいい人なのかなと思ったりもしました。そしたらやっぱり悪いひとでした。でも悪い人だけどなんとなく憎めないな、とも思いました。仕事をしていると色々大変なんだろうなと思ったからです)に殺されてしまったときは少しザンネンな気持ちがしました。

あとこれは後で知っておどろいたのですが、『ターミネーター2』で強い悪役をやっていたロバート・パトリックがとてもおじいさんになっていたのでびっくりしました。
でも割といい役だったと思います。このごうもんの場面はとてもこわかったです。

ということでなかなか面白い映画でした。お父さんは「トニー・スコットっぽいな」と言ってましたが、ぼくはトニー・スコットならもう少し明るい感じになるのかもしれないと思いました。お兄ちゃんは「ちょっと北野映画に似ている部分もある」といっていました。
「どこが?」と聞いたけど「感じだよ、感じ」としか答えてくれませんでした。
もしかしたら銃の使い方やアクションの乾いた感じの事を言ってるのかもしれません。少し分かる気もします。でも、それは言いませんでした。
いろいろ思ったけど、でも楽しかったので良かったです。
でもこのシネコンは遠いところにあったので車がないと大変だったので、次に来た時も行くがどうかは分からないです。

おしまい。