大人の階段昇って降りた。『ハングオーバー!!! 最後の反省会』

楽しかった日々も終わりが来る。

という事で
ハングオーバー!!! 最後の反省会』

前2作は、まったく同じパターンの繰り返しで、しかしそれがまた楽しく冒頭の「何でこんなことになってんの?」から始まる男たちの旅路も、いよいよ最終章ということらしい。
最後も同じパターンで押し切るというのもひとつだったかもしれないし、そもそも「全然ハングオーバーしてないじゃないか!」という意見も尤もではある。
3人のはっちゃけ具合がいま少し物足りない気もするし、彼らに降りかかる厄災も、少しばかりシリアス度が増しているのも確かだ。
いつも開幕からとんでもない被害を受けるスチュも、今回は「ほぼ」全編まともな格好で、歯も欠けていないし、タトゥーも入れられていない。
へザー・グラハムの再登板の心躍らせてみたものの、彼女が演じるジェイドと男たちの再会は、以前のバカ騒ぎからは程遠い静かなものに。ジェイドだっていつまでもバカやってられない。
青春の終わり。
ということだろうか。
チャウさんのスピンオフなんじゃないかと思うくらいの大活躍はとても嬉しいし*1、楽しかった。でも、人によってはノイズに感じる部分もあるかもしれない。
つまりは最終的にはアランの成長物語になっている訳で、それはシリーズを締めくくるにはそれしかないだろうという着地点だったと思う。チャウさんの「もっと遊ぼうよ!」という叫びをアランが振り切る場面は、チャウさんに割く時間が長かっただけに、一層寂しさが増す。ちょっとしんみりする場面だった。

しんみりと終えるかに思えた映画は、しかし最後の最後でしっかりとハングオーバーしていた。この飛び道具の破壊力はとんでもなかった。一番笑い声があがったこの瞬間のカタルシスは劇場で体験したいもの。

いやしかし、ラストはフローライダーで締めて欲しかったというのも正直な気持ち。
「何であんな事になってんだ!!!」

*1: カラオケでのナイン・インチ・ネイルズ最高過ぎる!