大きくなったなあ、ボウズ。『ウォーム・ボディーズ』

特に原作の既読・未読にはこだわらないタイプだが、『アバウト・ア・ボーイ』については映画で描かれなかったニルヴァーナ、というかカート・コバーンを巡るエピソードが素晴らしいので、未読に人は是非。

という事で
ウォーム・ボディーズ

そんなニコラス・ホルト君もすっかり大人になって。そんな彼みたさに、という目的はほぼ充たされた。
猫背でヨタヨタとゾンビ歩きしている姿は魅力的だし、どこか動物的な瞳(とその眼差し)は役にあっていたとも思う。
設定やストーリーの細かいところについては、観ている時に色々と疑問に思ったりした部分もあったはずだがそんなことはどうでもいい。
序盤のゾンビ襲撃シーンでのテリーサ・パーマーは『アイ・アム・ナンバー4』で唯一といっていいくらいの輝きを魅せていたことを思い出させてくれた。カッコよさと可愛らしさもあってとても良かったと思う。とにかくR(ニコラス・ホルト)とジュリー(テリーサ・パーマー)が若々しさ(いや、片っぽは土気色しているけど)、それだけで良いのではないか。

コメディとシリアスのブレンド具合いは、『50/50』と比較するとバランスに欠けていたような気もするし、ラストについてはやや明るくスイート過ぎるような気もするが、それも許してしまおう。

R(や仲間達)が徐々に人間化していく過程は楽しいし、またエモーショナルでもある。
全体的に大きな驚きもなかったが、だからといってそれは退屈には繋がらず、終盤のバトルにおける「ベタ」な展開もライトではあるが楽しい。

夢の世界で「ここはお前のくる場所じゃない」と言われたときのRの孤独感いった件は、しかしちょっとしたスパイス程度に抑えられていて、それは結果としては良い方向に作用していたんだろう。
僕って何?」的な葛藤はほとんど(というか全く)描かれることなく、ライトなロミオとジュリエット型恋愛青春映画として成り立っているというところでしょうか。

メインキャスト二人を観ておくというだけでも、損はないとは思います。100分以内だし。
ちなみに個人的にはノーラ役の子は割と好きな顔でした。