ダンスは上手く踊れない。『キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー』

最近はどうした訳か川崎に映画を観に行く事が多い。シネコン系の作品は六本木で観るケースが高いんだけど観ようとすると目当ての作品がやってなかったりするんだよね。
どうやら東京国際映画祭が影響しているようだ。

という訳で
キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー』


あちこちで言われているように来年公開予定の『アベンジャーズ』の長い予告編という印象が強い。前半は誕生の経緯、後半は覚醒したキャプテンアメリカの活躍〜ラスボスとの対決。そしてアベンジャーズへ…。
アミコミに精通している訳ではない自分のような観客には良い予習になったのではないだろうか。スターク父も出てくるし。

キャプテンアメリカについてはほとんど知識がない状態だったので、戦意高揚のキャラとして働く姿にはちょっと驚いた。原作でもそうなのかは知らないが、ちょっとメタ的展開で不思議。

キャプテンの活躍シーンはダイジェスト感は拭えないし、ストーリーもそれ程練られている訳ではい。
でもジョー・ジョンストンレトロフューチャーというかスチームパンクというかそういう空気感はこの作品に合っていたと思う。この辺の時代の軍服を撮らせると上手いね。『ロケッティア』とか。

クリス・エヴァンスは「あれ、こんな顔だったっけ?」って感じ。ファンタスティック4の時はもう少しチャラい感じで余り好きなタイプじゃなかったけど今回はなかなかキリリとして好印象。
しかしモヤシっ子時代の声とのギャップには笑った。てっきり少年だと思ってたもんで。
ヒロイン役のヘイリー・アトウェル。タイプと言う訳ではないが、なかなか軍服が似合っていてよろしい。ウッディ・アレンの作品に割りと出ているようで、そう言われればそんな上品さ(というか優等生っぽさ)があるね。
ヒューゴ・ウィーヴィングの安定感のある悪役ぶりは流石って感じで良かったんだけど、「ヒドラ、万歳!!」の両手上げのポーズはちょっと…。

以下ネタバレ含む。


ロジャース/キャプテンアメリカが軍の慰問に身をやつしている姿は、そのコスチュームの間抜けさも手伝って、なかなかの哀愁。
そこから捕虜奪還に向かう展開は、まあアツい事はアツい。
ただ、その後のバッキーを含めた精鋭部隊の活躍はかなりやっつけ感が強い。やっつけというのは言い過ぎかもしれないが、ダイジェスト度合いがかなり高い。
いや観てて楽しいんだけどね。バイクでジャンプするところは、ちょっと仮面ライダーっぽくてちょっと良かった。とりあえず派手に飛ばしとくか!っていうのが感じられて嫌いじゃない。

レッドスカルとの戦いも案外あっさりしてた印象。まあ、レッドスカルの最期も自滅みたいなもんだしね。キューブのパワーに耐えきれず消滅していく様は『レイダース』でナチの将校(だっけ?)が溶けていく最期へのオマージュだろうか?ていうかジョー・ジョンストンはレイダースで特殊撮影担当してたのか。納得。

ロジャースとカーターの別れの場面は正直それほど盛り上がらない。
でもそれくらいで丁度良いのかもな。
「ちょっとデートの約束があったんだ…」ってセリフは、良いけどね。

でラストは当然アベンジャーズに繋がる訳でサミュエル・L・ジャクソンの登場は「待ってました」モードたっぷり。
ロジャースが野球の放送で偽装工作に気づく場面は、凝り過ぎてないところが良い。
それにしてもアイアンマンにせよ、これにせよ作品にまたがって世界観を成り立たせるのもなかなか大変だし凄い話だよね。
マイティソーとハルクにもスカウトに来てるのか?

とまあ『アイアンマン』シリーズでちょっとアベンジャーズが気になった身としては丁度良い予習にはなった。

あ、そうだ。3Dについて。ピラニア3Dの時にも感じたけど引きの群衆の場面で感じる妙なミニチュアっぽさ、あれ結構好きだわ。飛び出たりする事よりそっちの方が3Dの特性としてポイントを与えたい。
ただ、これ3Dじゃなくても良いな。円盤盾が飛んで来た時は思わず避けたけど。